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青木 あとですね、ちょっとばかりマニアックなディティールの話を1つ。ブランドロゴについて、話させてください。
角田 どうぞ
青木 これは個人的な思いになるんですけど、製品を使った人が気に入ったとしても、気に入らなかったとしても、それを受け止める責任として、商品には「誰が作ったのか」は記載したいと、僕は思ってるんです。
治田 モノ自体にブランドロゴを入れたいという意味ですね。
青木 はい。それで実は最初はHINGEにも、表紙のど真ん中に、大きくブランドロゴを入れようかと思っていたんですね。
突然ですがここで、idontknowのもう1人のメンバーに登場していただきます。
田久保 こんにちは。グラフィックデザイナーの田久保(タクボ)です。
青木 僕は田久保さんに「HINGEの表紙中央にドーンと入れるためのブランドロゴを作成してほしい」ってお願いしたんですよね、そうしたら
田久保 「ブランドロゴは入れるべきじゃない」って答えましたね。
青木 「なんでや!グラフィックデザイナーちゃうんかい」って思いました。
田久保 僕もHINGEの試作を長い間使わせてもらってたんですけど、これの良いところって、脇役でいてくれるところなんですよね。
角田 A4用紙、ペン、以上。という。
田久保 はい。このシンプルさがこの製品の長所で。表紙に大きくロゴが入ってしまうと、使うたびにそのロゴが目に入って、ノイズになってしまう。それは、この道具のコンセプトとしてどうなのかな?と思ったわけです。
治田 田久保さんと青木さんとで、かなり長い時間、意見が対立してましたよね。
青木 それで後日、ヒンジ部分の傾斜に入れるという現在の案を思いついたわけです。
田久保 見ようと思えば見られるけれど、使用時に邪魔ではない絶妙な位置ですね。
青木 しかも、白や黒といった印刷ではなく、透明の箔の文字を、通常よりも強い力で打ち込んで、樹脂を凹ませているんです。
治田 グっと精密な「道具らしさ」が宿りますね。
角田 マニアックやねー。でも、実際これのおかげで使うときの天地がわかったりとか、さりげなく使い勝手にも貢献してるよね。
角田 あとさ、カバンも持たずに、HINGEだけ持って外出することも結構あって。全体としてのシンプルさは、持ち歩いていても違和感がないし、持った時にチラリと目にはいる道具らしいディティールには、ちょっと誇らしさを感じたりするよね。
角田 僕はステッカーを貼ってカスタマイズも試してるとこ。パソコンには貼らない派なんだけどHINGEにはどんどん貼ってみたくなってる。
青木 この樹脂のシート材が、貼って剥がしやすい素材なので、たしかにステッカーのカスタマイズが気軽にしやすいですね。
治田 というわけで、ひととおりHINGEの機能的な特徴は挙げたわけですけれども
青木 すみません、もう1つだけ、言いたいことが
角田 どうぞ
青木 実はうちの4歳の子供がHINGEのヘビーユーザーなんです。
青木 カフェとかレストランに行くと、待ち時間あるじゃないですか。そういうときには、大体僕が持っているHINGEを使ってお絵かきをして時間をつぶすんです。
角田 なるほどねえ。いますぐ描きたい衝動という意味では、子供こそ強いもんね。
青木 「お絵かきしたーい」って言われた瞬間、HINGEを渡せますからね。
角田 老若男女、職業に関わりなく、描きたいという衝動をもつ全ての人に、HINGEは立ち上がり1秒で応えられる。
青木 描き始めるハードルをグンッと下げることで、これまでよりも、もう1段階、人類の創造性を解き放ちます!
角田 大きく出たね
治田 では、そんなところで。実は、価格も抑えめで、がんばっていますよね。
青木 人類の創造性を解き放つために、がんばりました。
角田 最高のアイデアが生まれるのに、この価格!
治田 僕たちが毎日使って手放せなくなっているHINGE。みなさんにも、ぜひ一度使ってみてもらいたいですね。
青木 次回はちょっとだけ話を戻して、HINGEができるまでの試作の日々についてお話しましょう。
角田 マニアックな話になりそうだねぇ
(2017年9月追記)
HINGEに2つの新しいサイズが登場しました!
くわしくは、こちらの記事からどうぞ