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もくじ
1. TENTとtwelvetoneってどんな人たち? 
2. 誰のための「欲しいもの」なのか 
3. 工場はどうやって探すのか
4. 世の中で売られている状態になるまでに
5. 焚き火とメディア
6. 知らんがな

3. 工場はどうやって探すのか

青木 次は「つくりかた」についての解説なんですけど。
今日は「作る」「伝える」「売る」この3つを全部含んで「つくりかた」というくくりで話したいと思います。

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角田 はい、ここからはじっくり話したいと思うんですけど。「あんなもんほしいな、こんなもんほしいな」って考えるってことは誰でもできるじゃないですか。でもそこから先ってのが難しいんですよね。最近 MAKERSムーブメント とか言われていまして、3Dプリンターをはじめ、いろいろな道具が揃ってきたので、試作までは簡単にできるようになった世の中ですけど、そこから先が、どうしたらいいのかわかんないんですよね。

 そのあたり、僕らが普通にやっていることをお伝えすれば、とりあえずざっくりはわかるのかなと思いまして、順に説明していこうと思います。 まずは、思いついたらすぐ試作をします。もちろん図面は描くんですけど、その前にすぐに手で触れるものにしたいっていうのがあって、僕らはもう、すぐに!試作します。

 いまの世の中だからプロダクトデザイナーさんはCADとか3Dプリンターとかでやるんでしょう?って思いますよね、でも、そうじゃないんですよね。TENTさんとかは、オカエリロボットもNuAnsの製品なんかも最初は紙で作ってますからね。僕もミニチュアで作ったりしますね。作りながら、全然違う形とかも経て、落とし込まれていくんですね。


青木 そうですね、とりあえず1個作ると、その晩は気持ちよく眠れる。次の朝それを見て、モヤモヤと違和感を感じる。またもう1個作って、寝るの繰り返し。
 

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角田
 もうめちゃくちゃ試作は繰り返しますね。そしてどうしても工場での試作をしないとわかんないってところに突っ込んでいくんですよね。たとえば強度のこととか。量産するときに本当に作れるのかとか。ここからが素人とプロとの差になってくるんでしょうけど、工場探さないと沢山作れないじゃないですか。そこで工場を探すわけなんですけど、いつもどうやって工場探します?


青木 僕にききます?
いつも僕は角田さんに聞いてるんですけど
「どうやって探したんですか?」っていうと
ググった」ていうんですよね。


角田 はい、じつは「ググった」なんですよね。 たとえば椅子を作りたかったら「椅子 OEM」とかでとりあえず。名入れサービスくらいだったらそのレベルでいけます。オリジナルで作りたいんだったら、もっとディープなやつになってきます。

 そもそも、ググって情報は出てくるんですけど、Webがすぐ見つけられる会社っていうのは、自分の会社の価値をわかっているわけで、見積もり出しても高いんです。まずはそこの工場と、安くできないか安くできないかって話はするんですけど、だんだんもう、手に負えなくなってきて。「もっと安いところ紹介しますわ」みたいな感じで紹介してもらえることなんかもあるんですよ。

 例えば、いまYOKAを作ってもらっている工場とかは、木工職人の人から北海道の工場を紹介してもらって、そこでは大きさ的に無理ってことで、また紹介してもらって、とかで、最終的に山形県の工場にたどり着いたんですけど、そこはホームページがないんですよ。あっても、商工会議所のWebページの一つで紹介されてて、しかも右下に電話番号しか書いてない。そこに電話して「データを送りたいんですけど」っていったら、メールアドレスを教えてもらえて、とか、遠回りなやり取りをして、今作ってもらっているという。

 そういうところまでたどり着くのがすごい大変なんです。僕らも、なるべく安く作ってもらいたいというのもありますし。なかなか大変ですね。


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青木 そうですね。TENTではBOOK on BOOK が自社で一番最初にやった商品になるんですけど。まずは手作りで10個作って売って、ヘトヘトになってやめまして。その後に工場を探して沢山あたったんですけど、見積もりがめちゃくちゃ高くて。工場出荷3万円とか、高級アートですか?と思うくらいの見積もり金額で。でも全然ふっかけられてたとかではなくて、1つ1つ研磨するのがすごく高いと。

 それで、探して探して全然見つからなくて7年が経過しまして。 そんなあるとき、面識のないアクリルの会社の営業さんがきたんです。それで「できないだろうけど試してみてくださいよ」って言ったら


角田 なんでそんな高圧的なの!?

青木 いや、すみません。なんか当時はそんなムードで。

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 そしたらポンとすごいサンプルが出来上がって。実はその人が営業というより、職人さんで。すごい努力してくれる人だったんです。「いろいろ工夫したら、すごく少ない工程でできた」って言ってくれて。原価も現実的なものになりました。

 その時に、量産に向けて工場に立ちあっていろいろ経験しまして。熱で加工するあと、冷やすときにあてがう道具をどうするかとか、工夫を重ねるんですけど「もうちょっとこうしたら、こうしたら」って考える余地が実はいっぱいあるんですね。

 それで味をしめて。工場が最初ダメっていっても「なんでだめなの?こうするといけるんじゃない?」って一緒になって追い込めばできたり。できなくても、別の良い発見があったりとかして。それ以降は極力そうやって言うようにしています。


角田 それね、工場に嫌われるタイプね。


青木 はい、嫌われまして。それで連絡がつかない工場さんもいるし、すごい頑張ってくれたり、あとは、他を紹介してくれる工場さんもいたり。なので、断られても踏み込むっていうのが、嫌われるかもしれないけど、大事だと思います。 



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トークは次のページに続きます。

引き続き、会場からの質問コーナーをどうぞ


会場からの質問コーナー  その3

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一番最初の商品は
どれくらいのロットで挑戦しましたか。

角田 1000て言われたから、1000って。やっちゃいましたね。最初は。
最初は印刷物だったんで。紙で抜きでできるやつだったんで。

青木 あーでも、紙は1000ですよねー。

角田 1000を割って作ることもできるけど、ちょうどいいラインってのが1000。今思えば、よく作ったと思うけど

青木 これ、僕は逆で、初めて作ったのは BOOK on BOOK なんですけど、利益ほぼない状態で、まずは30個発注して、ヒヤヒヤしてました。誰も買いやしないんじゃないかって。この30個どうすんねん!?って。

角田 まあね、最初だからね

青木 でもまあ、アシストオンさんで発売されてドカーン!次にNHKの番組で取り上げられたら、一気に、200~300個!って単位の発注が続いて、びっくりしちゃって、聞き間違いじゃないですか?って、そこから続いていってる感じですね。今思えばですけど、それなりの見積もりだったとは言え、30個で初回発注に対応してくれた工場さんに感謝ですね。

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