Twelvetone角田(ツノダ) まずはご存知ない方のために、TENTさんのことを僕からちょっとざっくりと紹介させていただきます。いわゆるプロダクトデザイナーさんなわけですけど、最近、Good Design賞とか、あらゆるアワードを舐めていっているということで僕はTENTさんを「アワードおばけ」って呼んでます。
角田 それでまあ、チャラチャラしてる奴らなのか、と思いきや、結構いい人たちなんですよ。作品を見たらわかるんですけど、本当にシンプルで、まあ無駄のない、もうなんちゅうか、下手な自己主張のないシンプルなやつを作っていて。
いろんなジャンルの、電気物とかコップとか、さらに自社ではロボットまで作っているんですけど。それぞれの幅広い製品の中で、シンプルながら最良の一手を打っていく、そういうことをやられているユニットで、僕は本当に尊敬しています。はい。
TENT青木(アオキ) ありがとうございます。そして僕から見たtwelvetoneさんなんですけども、一般的にデザイナー、とくにプロダクトデザイナーというと、クライアントから依頼されてアウトプットを出すという人が多いわけですけど、twelvetoneさんは自社商品で生計立ててるんですね。それをかなり早くからやっていて、先駆者なんです。それで「どうやってやってるのー?」て聞くところから関係性が始まりました。
独立前にはパイプロイド、独立後にはプレイデコというのをやられていて。それぞれ、平面を立体に立ちあげる構造も見事なんですが、さらにそれぞれに一個一個、キャラクター設定があって、全部読み物として面白いストーリーがあるんですよ。まずは物語があってキャラクターがあって、それが物理的な世界に落とし込まれていく。ということをずっとやっていた人だと認識してたんです。
ですが、つい最近、YOKAという家具シリーズを出しまして。
青木 いよいよキャラクターがなくなったんです。でも、そこはかとなく物語を感じさせる。 なんか、モノ起点か、ストーリー起点かということで、入り口は逆なんですけど、TENTとtwelvetoneがいまちょうど交差してて、ちょうど話が合うっていう状態になっているなあと思っています。
角田 はい、そんな僕たちです。それでは喋らせていただきます。
トークは、次のページへ続きます。
ここですこし
会場に来られた方からの質問コーナーを
お楽しみください。
青木 降りてくるのか。降りて、くるのか?
角田 あのーなにかが降りてくるというのは、、、、、 都市伝説です。
青木 都市伝説です!たしかに降りては来ないですよね。
角田 わい、、、湧いてくる?
青木 湧いてくる?どこから?
角田 「 沼 」から
(会場笑)
青木 沼から!
角田 沼じゃない?沼でしょ。
青木 そうですね。大前提として、そこは、綺麗じゃない。
角田 クリエイターの活動なんて綺麗じゃないですよね。
青木 ちょっと、、、、くさい。すごい濁ってる。
角田 くさい、本当そうだと思う。アイデアって、出さないといけない時ってあるでしょ?出さないといけないときに、ちょうどその沼から湧いてそこにいるとは限らないじゃない。湧いてたらちょうどいいけど、湧いてないし。うーんってなって、どうするか。
普段僕らがアイデアを考えるときにどうしてるかって言うと、沼に入っていってるんですよ。半分浸かって、なんかないかな?って。ドロドロになりながら、ああ、なんかないかな!ああ、なんか出た!これを、泥を落とせばー、、ああ!全部なくなってもた!って。ことの繰り返しですよね。アイデア考えるなんて。
本当になんか綺麗なことでもなんでもなくて。沼って何でできてるかっていうと、普段の経験とかテレビで見たことでもいいですよ、いろんな、成功とか失敗とかいろんなことが全部沼に集まって、熟成して。もう、秘伝の、秘伝の沼ですよ。
青木 そのまま飲むと死にます、危ないです、あの沼は。やっぱり磨いたりしないと。あと、旅行なんかいくと、その経験という液体が一滴、トゥンって入ると、沼の内部に結晶がバババァーってできて。あんなに昨日まで臭かった沼が、綺麗なものでいっぱいになったり。何が反応するのかわからないんですよね。刺激によっては、もっと臭くなったり。
角田 そうそうそう、危なくなることあるよね。これは入るのもやばい!しばらくほっとこう!っていうことも。ちょっと南の島に逃げないと。心を綺麗にしないとってこともありますよね。
ということで、アイデアは、沼に取りに行くっていうのが、僕らのアイデア考えるときのやつなんで、どんな時に降ってくるかって、そういうのは、ないです。降ってくるのは都市伝説、というのが、答えです。